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Brass Ensemble Saturday / ブラス・アンサンブル・サタデー

Brass Ensemble Saturday / ブラス・アンサンブル・サタデー

ユーフォニアム担当の石田です。

ロータリー式バリトン(ドイツ式バリトン、カイザーバリトン、オーバルバリトン、卵型バリトン)用の
ミュートの例をご紹介したいと思います。

(完成品がこれです)
IMG_2996.jpg

といいますのは、某アマチュアオーケストラでリヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」を
演奏することになり、私も「テナーテューバパート」をロータリー式バリトンで出演することになったのですが、
曲中で必要とされるミュートが手元になく、楽器店で聞いたり、インターネットで探してみても、
適当な品が見当たらなかったもので。

ユーフォニアム用のミュート(デニス・ウィック社製)は以前から持っていたのですが、
これをロータリー式バリトンに差し込んでも、ベルがずん胴で太いため途中で留まらず、
奥までズボンと入ってしまい、ミュートの役割を果たさなかったのです。

でも、大きさ的にはロータリー式バリトンのベルとユーフォニアム用ミュートが合うような
気がしたので、ミュートにコルクを貼れば使えるのでは?という気がしていました。

それで、Amazonでコルクのブロックを購入し、それをカッターナイフで切って、
ミュートの表面に貼ろうとしたのですが、これが予想以上に難しくて上手くいかない。
なぜかというと、ミュートの表面はカーブを描いており、このカーブにぴたりと合う断面を
コルクに施さないと、上手く貼り付けられないことがわかったのです。

うーむ、これは大変な作業だなぁ、楽器店に頼んでやってもらおうかな?と思いつつ、
しばらく放置していました。

そして1か月ほど後、別の用事でホームセンターに寄った際、ミュート加工に使えるものが
何かないかな、と探して、使えそうな素材をいくつか買って帰りました。

その素材を見てふとアイデアがひらめき、使えるかも?と思ってやってみたところ、
偶然にも上手くいきました。

20cmほどのスポンジのチューブ(商品名は「スポンジカバー」でした)を用意し、
これをハサミで縦に切って2つにします。2本をこのようにして、4つのパーツを作ります。

「スポンジカバー」
IMG_3007.jpg

それを両面テープでミュートの側面に貼り付ければ完了です(両面テープは、
「ナイスタック02」というものを使いました。接着力の強さ4種類ある中の、
下から2番目のものです)。

「ナイスタック02」
ナイスタック02

なぜ接着力弱めの両面テープを使うかというと、用事が終わったらまた
ユーフォニアム用に戻したいからです。ボンドや接着力の強い両面テープを使うと
外した時に跡が残って不格好になってしまいますので。

スポンジのパーツをただ適当に貼っただけなのですが、このミュートをロータリー式バリトンに
差し込むと、良い感じに留まってくれました。そして、試奏してみても、なかなか鋭い金属的なミュート音がし、
(ミュート演奏時に問題となる)音程の変化もそれほどありませんでした。

IMG_2999.jpg

合奏でも使ってみましたが、ミュートの抜き差しに時間がないシーンでも、さっと
抜き差しができ、スポンジなので、楽器にキズを付ける可能性も低いことがわかりました。

われながら、カンペキな出来じゃなかろうか!?

IMG_3003.jpg

「英雄の生涯」をロータリー式バリトンで演奏する際、ミュートの必要性は間違いなくあるはずなのに、
インターネット上ではほとんど情報がなく、どうすれば良いのか悩んだ私ですので、
同じように悩まれた方のために、情報提供させていただきました。

ご参考になれば幸いです。



 
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